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プリンターは本体が安くても、インク代で毎年お金が出ていきます。逆に本体が高くても、インク代が安ければ数年で追い越すことがあります。どちらが得かを決めるのは「年間に何枚刷るか」だけです。この記事では、1枚あたりのコストを自分で計算する手順、大容量インクタンク機が何枚で元を取るかの目安、互換インクを使う前に知っておきたい点、そしてコンビニ印刷との比較までをまとめました。価格や印刷コストはメーカー公表値と大手販売店の掲載価格をもとにした2026年9月時点の目安です。
結論:年間の印刷枚数で損益が分かれる
先に結論を書きます。年間300枚を超えるなら大容量インクタンク機、それ以下ならカートリッジ機かコンビニ印刷、モノクロの書類だけならモノクロレーザーが有力です。
根拠は単純な引き算です。キヤノンの公表値では、カートリッジ式のPIXUS TS5630はA4カラー文書1枚あたり約22.3円(税込・大容量インク使用時)。同じキヤノンの大容量タンク機PIXUS G3390はA4カラー文書1枚あたり約1.0円(税込)です。1枚で約21円の差があります。
一方で本体価格は、TS5630が約1万6千円から、G3390が約2万4千円からと、8千円ほどタンク機のほうが高くなっています(2026年9月時点の大手価格比較サイト掲載の最安値帯)。差額の約8千円を、1枚あたりの差である約21円で割ると約360枚。つまりカラーで年360枚、月30枚ほど刷る人なら、1年でタンク機のほうが安くなる計算です。
この「差額 ÷ 1枚あたりの差」という考え方さえ覚えておけば、どの機種同士でも比べられます。次の章で手順にします。
1枚あたりのコストの出し方
メーカーの数字をそのまま信じるのではなく、条件を確かめてから使うのがコツです。4つの手順に分けます。
手順1:メーカーが公表している印刷コストを調べる
各社とも製品ページの仕様表に「印刷コスト」「ランニングコスト」という欄があります。A4カラー文書、A4モノクロ文書、L判写真の3つが並んでいることが多く、単位は「円/枚」です。この数字は各社が独自に測ったものではなく、JEITA(電子情報技術産業協会)の「家庭用インクジェットプリンターの印刷コスト表示に関するガイドライン」に沿って表記されています。だから他社製品とも横並びで比べられます。
手順2:その金額に何が含まれているかを確かめる
ここが一番の落とし穴です。A4文書のコストに用紙代は入っていません。エプソンは印刷コストの算出条件のページで「用紙コストは含みません」と明記しています。ブラザーも製品ページの注記で、A4サイズの文書印刷はインクカートリッジ代のみ、L判サイズの写真印刷はインクカートリッジと用紙の合計価格だと書いています。
もう一点、キヤノンの表記には「初回にセットしたインクではなく、2回目以降に取り付けたインクを使用して算出」という注記があります。買った直後の付属インクは本体にインクを満たす分を消費するため、公表値より少ない枚数しか刷れないのが普通です。最初の1本で「思ったより減りが早い」と感じても、それは想定内と考えて差し支えありません。
手順3:本体価格を印刷枚数で割って足す
インク代だけを見ると、本体が高い機種ほど有利に見えてしまいます。そこで本体価格も1枚あたりに割り振ります。「本体価格 ÷ 使う年数 ÷ 年間の印刷枚数」を、手順1で調べたインク代に足すだけです。
たとえば本体2万4千円の機種を5年使い、年600枚刷るなら、24,000 ÷ 5 ÷ 600 = 1枚あたり8円。これにインク代1.0円と用紙代を足した金額が、実際の1枚コストに近づきます。年間の枚数が少ない人ほど本体価格の重みが大きくなる、という当たり前のことが数字で見えてきます。
手順4:年間枚数をかけて1年分の金額にする
最後に、手順3で出た1枚コストに年間枚数をかけます。年600枚なら、上の例では(8円+1.0円+用紙代1円)×600枚で約6,000円。ここまで出せば、コンビニ印刷や別機種と同じ土俵で比べられます。
年間枚数が分からない場合は、直近1か月の印刷枚数を数えて12倍してください。プリンターの設定画面や本体の情報シートで総印刷枚数を確認できる機種もあります。
大容量タンク機は何枚で元が取れるか
大容量インクタンク機は、カートリッジではなくボトルからインクを注ぐ方式です。エプソンのエコタンク、キヤノンのギガタンク、ブラザーのファーストタンクが該当します(ブラザーは超大容量のカートリッジを使う方式です)。
メーカー公表のA4文書コストを並べると、差がはっきりします。
| 方式・機種 | A4カラー | A4モノクロ | 本体価格の目安 |
|---|---|---|---|
| カートリッジ式/キヤノン PIXUS TS5630 | 約22.3円 | 約10.5円 | 約1万6千円〜 |
| ギガタンク/キヤノン PIXUS G3390 | 約1.0円 | 約0.5円 | 約2万4千円〜 |
| エコタンク/エプソン EP-M476T | 約0.9円 | 約0.3円 | 約2万5千円〜 |
| エコタンク/エプソン EW-M638T | 約1.0円 | 約0.4円 | 約3万7千円〜 |
| ファーストタンク/ブラザー DCP-J4250N | 約4.1円 | 約0.8円 | 約2万9千円〜 |
| モノクロレーザー/ブラザー HL-L2460DW | — | 約3.3円 | 約1万3千円〜 |
※印刷コストはいずれもメーカー公表の税込値、本体価格は2026年9月時点の大手価格比較サイト掲載の最安値帯。
分岐点を計算してみます。TS5630とG3390を比べると、本体差額は約8千円、カラー1枚の差は約21.3円なので、8,000 ÷ 21.3 ≒ 約360枚。モノクロだけで比べると1枚の差は約10円なので、約770枚が分岐点です。
言いかえると、カラー中心の人は年360枚(月30枚)、モノクロ中心の人は年770枚(月64枚)を超えるあたりから、タンク機のほうが安くなっていきます。学校のプリントや仕事の資料をまとめて刷る家庭なら、この枚数はすぐ届きます。逆に年間で数十枚しか刷らないなら、本体差額を回収する前に買い替え時期が来てしまいます。
なお、モノクロ書類ばかりならレーザーという選択肢もあります。ブラザーのHL-L2460DWはモノクロ約3.3円/枚で、インクジェットのタンク機より1枚あたりは高いものの、本体が約1万3千円からと安く、印刷速度もモノクロ約34枚/分と大きく違います。「カラーは要らない、枚数と速さが欲しい」場合に向きます。
互換インクを使う前に知ること
カートリッジ式のインク代を下げようとして、まず思いつくのが互換インク(非純正インク)です。値段だけを見れば魅力的ですが、判断の前に知っておきたい点が3つあります。
1つ目は保証です。手元の保証書と取扱説明書を読むと、純正品以外の使用が原因と判断される故障は保証の対象外になる、という趣旨の条件が書かれている場合があります。買う前に自分の機種の保証条件を読んでおくと、後で困りません。メーカー各社が純正品の特設ページを設けて純正の使用をすすめているのも、この文脈です。
2つ目は品質のばらつきです。互換インクは製造元が多数あり、同じ「対応」と書かれていても中身は同じではありません。色味が純正と変わる、時間が経つと退色する、といった話は珍しくありません。写真や年賀状など仕上がりを重視する用途では、確認できる情報が少ないぶんリスクを見込んでおく必要があります。
3つ目は、そもそも大容量タンク機なら互換品を使う動機が小さいことです。純正のインクボトル1本でブラック約4,500〜8,500ページ、カラー約6,500〜7,700ページという公表値の機種が並んでいて、1枚あたり1円前後まで下がっています。ここからさらに削る意味は薄いといえます。インク代を本気で下げたいなら、互換インクを探すより本体の方式を変えるほうが効きます。
互換インクを使うかどうかはあくまで持ち主の判断ですが、「保証条件を読む」「大事な印刷には使わない」の2つを決めておくだけでも、損をしにくくなります。
用紙のコスト
前述のとおり、メーカーが出すA4文書の印刷コストに用紙代は入っていません。自分で足す必要があります。
計算はパック価格を枚数で割るだけです。A4のコピー用紙は500枚入りで売られていることが多いので、パック価格 ÷ 500 が1枚あたりの用紙代になります。まとめ買いで単価が下がるぶん、2,500枚入りのような大容量パックのほうが1枚あたりは安くなります。
気をつけたいのは写真用紙です。L判の写真用紙は普通紙とは桁が違い、メーカー公表のL判写真コストも、インク代に用紙代を合計した金額で示されていることがあります(ブラザーはL判の表記がインクと用紙の合計だと注記しています)。写真を大量に刷るなら、用紙代が全体の大半を占めると考えたほうが実態に近くなります。
用紙の種類を用途で分けるのも節約になります。下書きや自分用の資料は安い普通紙、人に渡す書類はやや厚手、写真は写真用紙、と3段階に分けておけば、いちばん高い紙を無駄に減らさずに済みます。
なお、プリンターは待機中にもわずかに電力を使います。使う頻度が低い機種を電源タップでまとめて切る方法もありますが、インクジェット機は電源を切った状態が続くとインクが乾きやすい面もあるため、機種の取扱説明書に沿って判断してください。家電全体の電気代の下げ方は家電の電気代を下げる使い方にまとめています。タップ選びはデスク用電源タップおすすめが参考になります。
コンビニ印刷と比べる
「年に数回しか刷らない」なら、プリンターを持たずにコンビニのマルチコピー機を使う手があります。料金は各社が公表しています。
| 方法 | 白黒(A4普通紙) | カラー(A4普通紙) |
|---|---|---|
| セブン-イレブン/メディア持ち込み | 1枚10円 | 1枚50円 |
| セブン-イレブン/スマホからプリント | 1枚20円 | 1枚50円 |
| ローソン/コピー(普通紙) | 1枚10円 | 1枚50円 |
| 自宅・大容量タンク機 | 約0.3〜0.8円+用紙代 | 約0.9〜4.1円+用紙代 |
※コンビニの料金は2026年9月時点の各社公表値。A3カラーはセブン-イレブン・ローソンとも1枚80円です。
年100枚をカラーで刷るとして比べます。コンビニなら50円×100枚で5,000円。自宅のタンク機ならインクと用紙で1枚2円前後としても200円ですが、本体2万4千円を5年で割ると年4,800円が乗るので、合計は約5,000円。ほぼ互角です。
年300枚なら、コンビニは15,000円、自宅は4,800円+600円で約5,400円。この枚数になると自宅の圧勝です。逆に年30枚ならコンビニ1,500円に対し、自宅は本体だけで年4,800円。買わないほうが安く済みます。
枚数以外の違いもあります。コンビニは深夜でも使えてメンテナンスが不要な反面、出かける時間がかかり、急ぎの1枚には向きません。自宅印刷はすぐ刷れますが、久しぶりに使うとノズルが詰まってクリーニングでインクを消費することがあります。オンラインで書類をやりとりする機会が増えた人は、そもそも印刷する場面が減っていないかも見直してみてください。在宅の作業環境づくりはWeb会議の機材そろえ方、机まわりの配線整理はデスクの配線整理のやり方で扱っています。
維持費の安いプリンター
ここからは、メーカーが印刷コストを公表している国内の現行機を、維持費の観点で5機種選びました。価格は2026年9月時点の目安です。
1位:キヤノン PIXUS G3390(本体価格と印刷コストのバランスが良い)
本体価格と印刷コストのバランスが良い
- 価格の目安
- 約2万4千円〜3万円
- 方式
- ギガタンク搭載インクジェット複合機
- A4印刷コス
- モノクロ約0.5円/カラー約1.0円(税込)
- インクボトル
- GI-31シリーズ
- 印刷速度
- モノクロ約11.0ipm/カラー約6.0ipm
キヤノンのギガタンク搭載モデルです。A4モノクロ文書が約0.5円、A4カラー文書が約1.0円(いずれも税込・2回目以降のインクボトルで算出)と、1枚あたりの金額が1円前後に収まります。インクボトルはGI-31シリーズで、公表値ではブラック最大6,000枚、カラー最大7,700枚。本体価格が2万円台前半から見つかるため、前述の分岐点の計算でもカートリッジ機を早めに追い越します。
- 方式:ギガタンク搭載インクジェット複合機(プリント・コピー・スキャン)
- A4印刷コスト:モノクロ約0.5円/カラー約1.0円(税込)
- インクボトル:GI-31シリーズ(ブラック最大6,000枚/カラー最大7,700枚)
- 印刷速度:モノクロ約11.0ipm/カラー約6.0ipm
- 本体サイズ・質量:約416×363×177mm・約6.5kg
- 価格の目安:約2万4千円〜3万円(キヤノンオンラインショップ価格は29,700円・税込)
キヤノン公式のG3390製品ページに仕様と印刷コストの算出条件が掲載されています。
2位:エプソン EP-M476T(コンパクトな本体で1枚コストが低い)
コンパクトな本体で1枚コストが低い
- 価格の目安
- 約2万5千円〜3万1千円
- 方式
- エコタンク搭載インクジェット複合機
- A4印刷コス
- モノクロ約0.3円/カラー約0.9円(税込)
- インクボトル
- ブラック約4,500ページ/カラー約7,500ページ
- 印刷速度
- モノクロ約10.0ipm/カラー約5.0ipm
エプソンのエコタンク搭載モデルのなかでは小型の部類です。公表されているA4モノクロ文書は約0.3円、A4カラー文書は約0.9円(税込)で、今回調べたなかでは最も低い数値でした。インクボトルの公表ページ数はブラック約4,500ページ、カラー約7,500ページ。印刷速度はモノクロ約10.0ipmと控えめなので、大量の資料を一気に刷る用途より、家庭で少しずつ使う用途に向きます。
- 方式:エコタンク搭載インクジェット複合機(プリント・コピー・スキャン)
- A4印刷コスト:モノクロ約0.3円/カラー約0.9円(税込)
- インクボトル:ブラック約4,500ページ/カラー約7,500ページ
- 印刷速度:モノクロ約10.0ipm/カラー約5.0ipm
- 発売:2023年11月16日
- 価格の目安:約2万5千円〜3万1千円(エプソンダイレクトショップ価格は31,350円・税込)
3位:エプソン EW-M638T(印刷が速く枚数の多い家庭向け)
印刷が速く枚数の多い家庭向け
- 価格の目安
- 約3万7千円〜4万4千円
- 方式
- エコタンク搭載インクジェット複合機
- A4印刷コス
- モノクロ約0.4円/カラー約1.0円(税込)
- インクボトル
- ブラック約8,500ページ/カラー約6,500ページ
- 印刷速度
- モノクロ約18.0ipm/カラー約9.0ipm
同じエコタンクでも、こちらは印刷速度がモノクロ約18.0ipm、カラー約9.0ipmと上がります。A4モノクロ文書が約0.4円、A4カラー文書が約1.0円(税込)。インクボトルの公表ページ数はブラック約8,500ページ、カラー約6,500ページで、1回の補充で長く使える設計です。2025年7月発売と新しく、本体価格は3万円台後半からとやや高めですが、年に千枚単位で刷る家庭なら価格差を取り戻しやすくなります。
- 方式:エコタンク搭載インクジェット複合機(プリント・コピー・スキャン)
- A4印刷コスト:モノクロ約0.4円/カラー約1.0円(税込)
- インクボトル:ブラック約8,500ページ/カラー約6,500ページ
- 印刷速度:モノクロ約18.0ipm/カラー約9.0ipm
- 発売:2025年7月17日
- 価格の目安:約3万7千円〜4万4千円(エプソンダイレクトショップ価格は43,450円・税込)
4位:ブラザー DCP-J4250N(全色顔料インクで文書向き)
全色顔料インクで文書向き
- 価格の目安
- 約2万9千円〜3万5千円
- 方式
- ファーストタンク搭載インクジェット複合機
- A4印刷コス
- モノクロ約0.8円/カラー約4.1円(税込)
- インク
- LC516XL BK/C/M/Y
- 印刷速度
- A4モノクロ約20ipm/A4カラー約19ipm
ブラザーのファーストタンクは、ボトルではなく超大容量カートリッジを使う方式です。公表値はA4モノクロ文書が約0.8円、A4カラー文書が約4.1円(税込)。カラーはタンク機より高めですが、モノクロは1円を切ります。全色顔料インクのため文字がにじみにくく、印刷速度もA4モノクロ約20ipm、A4カラー約19ipmと速い部類です。メーカーは大容量カートリッジ1本でA4モノクロ文書約6,000ページと公表しています。
- 方式:ファーストタンク搭載インクジェット複合機(プリント・コピー・スキャン)
- A4印刷コスト:モノクロ約0.8円/カラー約4.1円(税込)
- インク:LC516XL BK/C/M/Y(A4モノクロ文書 約6,000ページ)
- 印刷速度:A4モノクロ約20ipm/A4カラー約19ipm
- L判フチなし:約13.0円(インクと用紙の合計・税込)
- 価格の目安:約2万9千円〜3万5千円
ブラザー公式のファーストタンク特設ページに、対象機種ごとの印刷コストが並んでいます。
5位:ブラザー HL-L2460DW(モノクロ書類だけを大量に刷る人向け)
モノクロ書類だけを大量に刷る人向け
- 価格の目安
- 約1万3千円〜1万8千円
- 方式
- A4モノクロレーザープリンター(プリント専用)
- ランニングコ
- モノクロ約3.3円/枚(税込)
- 印刷速度
- モノクロ約34枚/分
- 給紙
- 標準トレイ250枚+手差し1枚(最大251枚)
カラーを捨てて、モノクロ書類の速さと本体価格を取る選択肢です。メーカー公表のランニングコストはモノクロ約3.3円/枚(税込)。1枚あたりはタンク機より高いものの、本体が1万円台前半から手に入ります。印刷速度は約34枚/分で、製品寿命は約5万ページまたは7年のいずれか早いほうと公表されています。レーザー方式なので、しばらく使わなくてもインクの乾きを気にしなくて済むのも利点です。
- 方式:A4モノクロレーザープリンター(プリント専用)
- ランニングコスト:モノクロ約3.3円/枚(税込)
- 印刷速度:モノクロ約34枚/分
- 給紙:標準トレイ250枚+手差し1枚(最大251枚)
- 製品寿命:プリンター部 約5万ページまたは7年のいずれか早いほう
- 価格の目安:約1万3千円〜1万8千円
よくある質問
Q. インク代が高いと感じたら、まず何を変えるべきですか?
本体の方式を見直すのが近道です。カートリッジ式でA4カラー1枚20円台の機種を使っているなら、大容量タンク機に替えるだけで1枚1円前後まで下がります。年間の印刷枚数が300枚を超えているなら、買い替え費用を回収できる可能性が高くなります。逆に年間数十枚なら、インクではなく印刷そのものを減らすほうが効果的です。
Q. メーカーが出している印刷コストは信用できますか?
比較の物差しとしては使えます。JEITAのガイドラインに沿った表記で、各社が同じ測定画像を使って算出しているためです。ただし用紙代が含まれないこと、初回に付属するインクではなく2回目以降のインクで算出されていることは押さえておいてください。実際の使い方では、写真やグラフの多い文書ほど公表値より高くなります。
Q. 大容量タンク機のデメリットはありますか?
本体価格が高いこと、本体サイズが大きめの機種が多いこと、インクを注ぐ作業が発生することが挙げられます。また印刷枚数が少ないまま長く使うと、目詰まり防止のクリーニングでインクを消費します。月に数枚しか刷らない使い方なら、コンビニ印刷のほうが総額は安く収まります。
Q. 互換インクで本当に安くなりますか?
カートリッジ代そのものは下がります。ただし保証条件の確認、色味や耐久性のばらつき、機種によっては認識されない可能性まで含めて考える必要があります。故障時の修理費まで想定すると、差額が思ったほど残らないこともあります。判断する前に、手元の保証書に純正品以外の使用についてどう書かれているかを読んでみてください。
Q. モノクロレーザーとインクジェット、どちらが維持費は安いですか?
1枚あたりの金額だけなら、大容量タンク機のインクジェット(モノクロ約0.3〜0.8円)のほうが、今回調べたモノクロレーザー(約3.3円)より安く出ています。ただしレーザーは本体が安く、印刷が速く、久しぶりに使ってもインクの乾きを心配しなくて済みます。カラーを刷るかどうか、1回にまとめて何枚刷るかで選び分けるとよいでしょう。
まとめ
プリンターの維持費は、「1枚あたりのインク代」「用紙代」「本体価格を年数と枚数で割った額」の3つを足して初めて見えてきます。メーカー公表の印刷コストは用紙代を含まないので、そこを足し忘れないでください。
目安をもう一度整理します。カラーで年360枚、モノクロで年770枚を超えるなら大容量タンク機。年間数十枚ならコンビニ印刷。モノクロ書類を速く大量に刷るならモノクロレーザー。この3択で考えると、迷う時間が短くなります。
インク代を下げる方法を探すより、自分の年間印刷枚数を数えて方式を選び直すほうが、結果として下がる幅は大きくなります。まずは直近1か月の枚数を数えるところから始めてみてください。


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